図書館でのゲーム活動を紹介していくブログですが、今回は完全に趣味のゲーム話になります。
図書館でのゲーム活用事例を探しにきた図書館関係者や、卒論の資料を探しにきた学生さんでしたらすいません。
この記事以外は全て、図書館でのゲーム活動に関する内容ですので、そちらがお役に立てると良いのですが。
さて、今回は「ゲームとことば」(https://adventar.org/calendars/7649)という企画のお誘いを受けて書いています。
司書、翻訳家、SE系など、色々なバックボーンを持つ方々が【思い入れのあるゲームを語る】という内容で、去年の記事を読んで素敵だなと思っていたところに、今年のお誘いがありましたので、書かせてもらう事にしました。
媒体は何でもいいので、ツイッターやmixiで書こうかなとも思ったのですが、きちんと残したいと思い、このブログに書くことにしました。
(と言っても、ジオシティーズのように、ある日突然サービスがなくなる可能性もありますが)
今年のお題は「人生を変えたゲーム」
いざ考えてみると、ゲーム人生も40年近くになり、思い出があるゲームが色々あります。
初めてゲームで泣いた『街』(セガサターン)や、友達5人でチームを組んで九州から東京の大会に出場した『VF3tb』(ゲーセン)、鬱で動けないときに救われた『UNDERTALE』(拙著『図書館とゲーム』でも触れています)など、多くのゲームがあり、1本を選ぶのは難しいです。
それでもなお、何か1本選ぶとしたら『ダライアスバースト』(正確には「DARIUSBURST ANOTHER CHRONICLE」)になります。
『ダライアスバースト アナザークロニクル』は、2010年にゲームセンターでリリースされた、シューティングゲームです。
こんな感じで、自機を操作して敵を倒していくオーソドックスなゲームですね。
最大の特徴は、横に長い筐体で、4人同時プレイが出来るというもの。
この筐体に4人並んで遊ぶのは、なかなか他では出来ない体験です。
かなり楽しみにしていたので、隣の福岡県でロケテストをやるという話を聞いて遊びに行ったりしてました。
このゲームの、もうひとつの特徴としてクロニクルモードという、全1347ステージ(バージョンUPで最終的には3097ステージ)をクリアするというモードがあります。
もちろん、一度に1000ステージ以上をクリアするのではなく、数か月(もしくは数年)かけてクリアしていくという物です。
当時、既にゲームセンターでは、カードに個人の記録が出来るシステムがあったので、音ゲーや格ゲーでは、自分の履歴や戦績はカードに記録するのが普通になっていました。
当然、ダライアスバーストのクロニクルモードも、個人が一人でコツコツ頑張ってカードに記録されるシステムかとおもいきや、そうではなく
【その筐体に記録されるシステム】でした。
つまり、全1347ステージのうち、10ステージを私がクリアして、1週間後とかに行くと、他の人達が40ステージくらいクリアしてて、残りが1300ステージくらいになっている、という感じです。
また、ステージによっては【4人でクリア】【2人でノーミスクリア】のように、条件付きステージがちょいちょいあり、誰かと協力しないとクリアできない仕様になっていました。
そこで何が起きるかというと【なんとなくあの人もダライアスバースト遊んでるな】という、顔見知りだけど知らない人に「クロニクルモードをクリアしたいので、良かったら一緒にやりませんか?2人限定ステージなんですよ」と話かけて、一緒に遊ぶという、少し変わったゲーセンでの交流が始まります。
ですが、デメリットとして、数年かけてコツコツと進めていても、そのお店から「ダライアスバースト」が無くなってしまうと、最後までクリアできなくなるという可能性もあります。
私が10代や20代の時は、ゲーセンのコミュニティが活発でしたが、当時は既に私のスタイル(たまにゲーセンで一人用を遊んで帰る)で形成できるようなコミュニティはなく、また、ゲーセンでのコミュニティも知らない人たちがそこでゲームを通じて仲良くなる、というよりは、事前にSNSで知り合った人達(もしくはリアル友人)で形成されているようでした。
そんな時期に、このシステムのおかげで、再び私のゲーセンコミュニティが活発化していきました。
のちに製作者インタビューを読むと、やはりカードシステムの案はあったそうですが【ゲーセンコミュニティを復活させたい】という思いから、筐体への記録システムになったそうです。
この時の制作者の判断が違っていたら、私がダライアスを知らない人と遊ぶ事もなく、ダライアスから始まった私のゲーセン企画もなく、そこから続く今の私の図書館でのゲーム活動も無かったと思うと、不思議な気がしますね。
制作者の狙い通り、ゲーセンコミュニティが出来上がってから、私がゲーセンでのダライアスイベントを発案するまでは、あっという間で。
・せっかくだから日曜あたりにみんなで集まってクロニクルモードを遊ぼう。
↓
・みんなで集まってゲームするの楽しい!イベントにして色々な人が来てくれるといいね。オーナーさんも協力してくれて大変ありがたい!
↓
ダライアスのイベントは定期開催になり、全部で4回開催しました。
最後の方は、広島や都内のプレイヤーさんが熊本に来てくれて、嬉しかったです。
↓さらに
・なんか公式さんもタイムアタックイベントをしてくれるぞ。
↓
・みんなで頑張ろう → 全国4位に。
そのときの動画です。
4位の公式ページ
という流れで、あれよ、あれよという間に、色々なイベントを行いました。
この時の経験で、みんなが楽しんでくれるイベントをするのが好きになり、図書館でのゲームイベントをやろうと思うようになりました。
また、この時のチームみんなが、図書館でのゲームイベントに協力してくれたおかげで、長く続く図書館のゲーム企画を開催することができました。
つまり、私が今メインで活動している、図書館でのゲーム企画が出来るのも、ダライアスのおかげです。
そしてそれがきっかけで本(『図書館とゲーム』【http://www.jla.or.jp/publications/tabid/87/pdid/p11-0000000512/Default.aspx】)が出せたのも、現在あちこちで活動できるのも、全てこの時の経験のおかげです。
「ゲームとことば」で、他の方が書いていた「Connecting the dots(点と点をつなぐ)」という、スティーブン・ジョブスの言葉が、今はとても実感できます。
また、前職で鬱になったときも助けてくれたのも、ダライアスコミュニティの人でした。
『ダライアスバースト』とコミュティのみんな、理解のあるオーナーさんなど、どれが欠けても今の私は存在しません。
「人生を変えたゲームは?」
と聞かれたら、自信をもって「ダライスバーストです」と答えます。
そんな思い出のゲームですが、すでに地元の熊本はおろか九州にもなく、広島や都内など、数えるほどしか残っていません。
家庭用はありますが、やはりみんなが横に4人並べる、あの筐体で遊びたいものですね。
思い出のゲームを遊ぶとき、人は当時の自分になれるので。
次の私の目標は、図書館がゲームを保存する事で、100年後の人が今のゲームを楽しめるようになると良いなぁと思っています。