「図書館×ゲーム」活動報告日誌

全国の図書館で、アナログ・デジタルゲームを中心とした様々な企画を行っている格闘系司書の活動を紹介しているブログです。

国会図書館に、TRPGなどの同人シナリオ(デジタルデータ)を寄贈してみませんか。

『カタシロ』『VOID』『狂気山脈』『I'll die here』、、日々生み出されるTRPGやマーダーミステリー、ソロジャーナルなどの素晴らしい物語(シナリオ)

 

人間失格』などの文学と同じく、100年後の人達にも楽しんで欲しい物語だと思っています。

物語を楽しんだ100年後の人達が、また新たな物語を生み出すかもしれません。

その為には、適切なシステムによる物語の収集と保存が不可欠です、、、、というわけで。

 

皆さんの作られたシナリオを、国立国会図書館にデジタルデータで寄贈(納入)して、未来永劫残しませんか?

 

日本で出版される、多くの本が国会図書館に納本されているのはご存じの方も多いと思いますが、実はゲームソフトなどのデジタル系の資料も保存されています(物理媒体でデジタルゲームが保存されている、という意味です)

 

私の作った同人誌(PDFデータ)も国会図書館に寄贈(納入)していますので、こんな感じで国会図書館のデータベースで見ることが出来ます。

 

ネット上では内容までは見れないように公開範囲を制限しています。

本当は内容も公開する予定だったのですが、5年以上前の文章ということもあり、今見ると無駄に攻撃的だったり、草生やしまくってたりと恥ずかし過ぎて、「国立国会図書館内限定」の公開にしました。日和ってすいません、、、。

 

ちなみにデジタルデータの寄贈(納入)には大きく2種類あります。

 

①どなたでも自宅のPCなどから見れる【インターネット公開】

②本館や関西館に直接行った時だけ見れる【国立国会図書館内限定】

 

の2つです。

 

ここからは、シナリオなどPDF(デジタルデータ)の寄贈(納入)方法と注意点などを書いていきます。

自分なりに調べながら書いていますが、間違い等がある可能性があります。

その時は申し訳ありません。

※関係者の皆様が何か気づかれましたら、こっそり教えてください。修正します。

 

【全体的な流れの把握】(https://dl.ndl.go.jp/static/files/flow_soushin.pdf)
最初になんとなく理解しておくとスムーズにできます。




国会図書館に同人誌(デジタル版)を寄贈(納入)する時の注意点】

 

納入予定のオンライン資料の概要(販売/公開しているURL、点数 等)をメールにてお伝えする必要があります(こちらの①にあたりますhttps://dl.ndl.go.jp/static/files/flow_soushin.pdf

 

②公開(出版)されている作品に限ります(サイトでの無料公開作品、Booth等での有料販売作品などがOKです)

 

③こちらにもあるように(https://www.ndl.go.jp/jp/collect/online/index.html) 時間が掛かりますので(数か月から1年)、慌てず気長に進めていきましょ。

まだですか?などの問い合わせはしないようにお願いします。

 

④寄贈(納入)するのは製作者がやった方が良いかなと思います。

ゲーマー的思考と司書的思考で、自分でも考えが割れてますが、無断で人の作品を納入するのは良くないかなと思っています。

有料販売の物がネットで見れるのは明らかに良くないですし。

 

⑤有料で販売している物に関しては公開範囲を「国立国会図書館内限定」に設定するのをオススメします。

 

⑥公開範囲を「国立国会図書館内限定」にした場合は、国立国会図書館(東京本館、関西館、国際こども図書館)に直接来館して施設内でのみ閲覧する事ができます。その場合でも、著作権の範囲内(全体の半分)は複写する事ができます。

 

※インターネット公開も、遠隔複写サービスで同じく著作権の範囲内(全体の半分)までは郵送で複写する事ができます。

 

⑦有料で販売しているシナリオも公開されますので、ご注意下さい。

 

⑧納入時に公開範囲を選択できます↓

国立国会図書館内限定で公開する → 東京本館、関西館、国際こども図書館に直接行かないと見れない。

国立国会図書館によるインターネット公開を許諾する → オンライン上で見れる。

・一度登録した資料の公開範囲の変更は、一応できますが書類の提出などの手続きが必要になりますので、熟考されてからが良いでしょう。

【やっぱり非公開にしたい】は出来ません。

 

⑨納入方法は大きく2つに分かれます。

 

⑨ー1 シナリオデータを個人サイトなど、誰でもアクセス出来る場所に置いている場合は、「URLからファイルを自動収集する方法」でフォーム入力から納入する事ができます。

・フォーム入力時の作成者のところは、本名ではなく作者名(私の場合は格闘系司書)になります(本名と作者名が同じでしたら気にしなくて大丈夫です)

・繰り返しになりますが、公開範囲は理解されたうえで登録されてください。

 

⑨ー2 boothなど、アカウント登録が必要なサイトに置いている場合は、2の「ファイルをアップロードする方法」になります(こちらの方が多いと思います)

 

⑩全ての手続きを終えるまで1年から数ヶ月ほどかかりますので、のんびりゆるゆるとされてください。

※注:気になるお気持ちはわかりますが、まだですか?系の問い合わせはホントお控えください。




【具体的な納入方法】

1、最初に、こちらのサイトにアクセスしてください→https://dl.ndl.go.jp/dms/online


2、納入したいファイルの公開状況によって

 

・【URLからファイルを自動収集する方法】

 

・【ファイルをアップロードする方法】

 

のどちらかを決めてください。




2-1、【URLからファイルを自動収集する方法】の場合。

納入したいデータがネット上にあり、かつ誰でも無料でダウンロード出来る場合はこちらになります。

Bootのような、ユーザー登録とログインが必要なサイトで公開している場合は、たとえ無料でも【ファイルをアップロードする方法】になります。

 

2-2、>自動収集のながれ(PDF)をクリックすると、わかりやすい表が出てきます。

この表の流れに沿って手続きをします。

2-3、フォームに沿って入力していけば、特に難しい事は無いかと思いますが、私もこの方法では納入していませんので、詳しくはわからず申し訳ないです。



3-1、【ファイルをアップロードする方法】の場合

説明にあるように「IDとパスワード」が必要になります。

online@ndl.go.jp あてにメールを送りましょう。

 

3-2、メールは、国会図書館側にインターネットで公開(出版)されているものかを確認してもらうためですので、メールの内容は「オンライン資料の納入(寄贈)を希望しています。販売/公開しているURLは以下になります(該当のURL)」という書き方がよいと思います。

 

3-3、状況によっては、国会図書館から各種確認のメールがきますが、丁寧に対応して貰えるので、焦らずやり取りしましょう。

 

3-4、2~3日すると「確認しました、IDとパスをお送りするために申込書に記入して送付してください」というメールがきますので、次は添付されてた「送信用ID申請書」に記入して返信します。

※申請書の「機関等の名称または氏名」は、国会図書館のデータベースに登録されて、一般には公開されない情報ですが、本名でもペンネームでもどちらでも大丈夫です(私はペンネームの格闘系司書にしました)

 

3-5、1週間ほどでIDとパスが送られてきます。

 

3-6、https://dl.ndl.go.jp/dms/onlineにアクセス、「ファイルをアップロードする方法(送信)」の少し下にある「送信システムへログイン」をクリック。

 

IDとパスを入力してデータを登録していきます。



 

3-7、左側の「資料を送信」をクリック(※ここからは公開されていない範囲ですので画像無し)

「一件ずつ送信」を選びます。

寄贈(納入)したいファイルを選択してアップロードします(ドラッグ&ドロップでも可)

 

3-8、メタデータ(書誌データ)を入力していきます。

聞きなれない言葉が多いと思いますが「必須」の部分だけの入力でも大丈夫です。

最後の【公開範囲】だけは気を付けてください。

 

3-9、入力後に確定すると「データの登録を受け付けました」というメールがきます。

 

3-10、数か月から1年ほどすると、国立国会図書館デジタルコレクション(https://dl.ndl.go.jp/ja/) で検索できるようになります。

 

以上で終了となります、お疲れ様でした。

 

なかなか大変ですが、TRPGやマダミスの作者様におきましては、100年後のゲーマーに向けて、寄贈(納入)して頂けると個人的に嬉しいです。

 

100年後の人が皆さんのゲームで遊んで、何かインスピレーションを受け、また新たなゲームを作ってくれると良いなと思っています。

 

国立国会図書館のオンライン資料収集制度について、詳しく知りたい方はこちら。

https://www.ndl.go.jp/jp/collect/online/index.html



【最後に】

ゲーム好きの司書として、皆様の素晴らしいシナリオ(物語)が後世に伝わると良いなという思いでブログに残しました。

 

丁寧に考えられた保存システムですので、製作者様に無断で納入(寄贈)するなど、トラブルに繋がる事が無いようにお願いします。

 

こちら(https://www.ndl.go.jp/jp/collect/online/index.html) の3に「三者からのご寄贈はお受けしません。」とありますので、そもそも製作者以外の人は納入(寄贈)できないかなと思います。

 

100年後の人達が、楽しくゲームで遊べるのを祈っています。

『カタシロ』やって欲しいw