「図書館×ゲーム」活動報告日誌

全国の図書館で、アナログ・デジタルゲームを中心とした様々な企画を行っている格闘系司書の活動を紹介しているブログです。

1人用のストーリーテリングゲーム「ソロジャーナル」のススメ

皆様のおかげで、図書館でのボードゲームもかなり普及してきました。

 

読書推進・図書館への来館・文化を知るきっかけとして、など様々な理由で行われている図書館でのボードゲーム企画ですが【サードプレイスとしてのコミュニティつくり】や【賑わいのある空間】という目的がメインのところもあるようです。

 

人が集まり、交流し、賑わいや繋がりが生まれる、、、私が想定し希望してたボードゲームの魅力とも重なり大変嬉しく思っています。

 

ですが、それと同時に【一人でじっくりと過ごす時間】というのも同じくらい大事で、図書館で提供するべきサービスだと思っています。

1人でゆっくりじっくり遊べて、物語や読書と相性が良いゲーム、、、、もちろんデジタルゲームなら沢山ありますが、日本の図書館でのデジタルゲーム活用はまだ難しく、私が提案しても殆ど採用されないでしょう。

 

そんな時に知ったのが、一人で遊べるストーリーテリングゲーム「ソロジャーナル」でした。

 

【ソロジャーナルとは?】

 

簡単に説明しますと、シチュエーションとお題が提供された状態で、自由に物語を紡いでいく遊びです。

単に自由に物語を書けばいいのでは?と思われるかもしれませんが、ある程度枠組みを決めて貰うことで、物語が書きやすくなるというメリットがあります。

また、(一人で向き合うという面は無くなりますが)複数人で遊ぶと「同じ状況でそれぞれの個性が出る物語ができる」という体験ができ、物語への接し方は人との数だけある、という事がわかります。

 

 

【具体的にどんな作品があるの?】

 

「魔法骨董ここに眠る」

「魔法骨董ここに眠る」は、小さな物語を自分の手で考えて綴るソロジャーナルゲームです。 あなたは少し特殊な骨董商となる。 あなたが仕入れる品物は、いまにその力を失おうとしている魔法の道具だ。あなたはそれらを商品として出す前に、彼らの断片的な思い出をすくい上げ、最期の言葉を代筆する。通訳のためのペンデュラムの耳飾りを忘れないように。

 

「I'll die here.」

未知のウイルスが蔓延し、ゾンビで溢れかえった世界。 ある日不運にもゾンビに噛まれてしまったあなたは、完全にゾンビになるまでの5日間、記録を残すことにした。

などがあります。

 

【実際に図書館で出来るの?】

ゲームの使用許可を頂き、長野県の深志高校さんで「魔法骨董ここに眠る」を遊びました。

結果から書きますと、生徒にみなさんはとても集中して書いてくださり大成功でした(一部時間が足りない生徒がでました)

 

終わった後に話を聞いたりして得た感想や私の所感ですが。

・物語を書くのは楽しかった。

・書きたい事が沢山あり時間内に終わらなかった。

・他の人の物語を見せてもらうのが楽しい。

・物語の書き方や関連図書を提供することで、より深い物語の創作に繋がるかも。

・ガラスペンとインクなど、普段触らない筆記具に触れる楽しさがある。

・書いた物語は、人に読んで貰うのはOKだし、自分だけの物語として誰にも読ませないのもOK。

 

かなり図書館と相性が良いゲームですので、気になる方はとにかく一度遊んでみてください。
「ソロジャーナル」で検索すると、有志の方々が遊べるゲームを公開されていますし、プレイ動画などもたくさん出てきます。

ゲームの魅力は遊ばないとわかりませんので、ぜひよろしくお願いします。

 

また、ソロジャーナルについて詳しい人に色々と聞いた音声データを公開しておりますので、興味のある方はラジオ的にお聴きください(長いので作業のお供にどうぞ)

 

www.youtube.com