大きな広がりをみせて1年ほど、あれこれやっていた『カタシロ×図書館』企画ですが、全容を纏めていなかったので、この記事でまとめようと思います。
たまにですが、『TRPGと図書館』をテーマに卒論を書きたいという学生さんから、質問やインタビューが来ていたのですが、そのときの紹介できる、流れが分かる資料があると良いなと思っていたので、それもあって書いていこうと思います。
TRPGという少し特殊な文化がメインとなるので、一般の司書の方々にはわかりにくい単語もあるかと思います。
なるべく嚙み砕いてわかりやすく書くようにしますが、わからない単語は検索して貰えるとありがたいです。
①【カタシロ×図書館とは】
ディズムさん(@DizmKDC)という、Youtubeで活動されている方が作った、クトゥル神話TRPG(※1)のシナリオ「カタシロ」(※2)が、あまりに面白かったので、私が全国の司書の方々に呼びかけて、カタシロの展示を図書館で作りませんか?と呼びかけたのが始まりです。
②【全国の司書の方々への呼びかけ】
確か2021年の7月頃に、ツイッターで呼びかけたところ、多くの司書さんから連絡を頂き、あれよあれよという間に、全国一斉展示がはじまりました。
③【全国一斉カタシロ展示の参加館】
非公開の所もありましたが、公共・高校・中学校図書館など20館以上のところで開催されました。
全国図書館一斉展示企画
— 格闘系司書 (@librarian03) 2021年10月22日
『カタシロ×図書館』を行っています。
カタシロ好き司書による一斉展示になりす。
①長野県塩尻市立図書館https://t.co/KNoC094exc
こんな感じで、素敵な展示をして頂きました!
名越先生の本や、心理学の本など、ブックリストもバッチリですね!#カタシロ pic.twitter.com/0ECSDgQX41
③【ネットニュースへの掲載】
ネットニュースサイトのカイユウ様に取り上げて頂きました。
なお、このおかげで更に問い合わせが増えて参加館が増加するなど、大変嬉しい影響がありました。
④【その後の広がり】
カタシロ企画をきっかけに、公共図書館と地元の高校図書館がコラボをして、カタシロ体験イベントをおこなったり、そのイベント見た方が、大学でのカタシロ体験イベントを行うなど、面白い広がりを見せました。
なお、日本各地の図書館でも「全国一斉 カタシロ×図書館展示」が行われたり、長野県の塩尻図書館さんでは、「カタシロ公開リアルセッション」が行われたりしました(画像参照)https://t.co/zwKTbByR85 pic.twitter.com/q22SB6CDMX
— 格闘系司書 (@librarian03) 2022年8月18日
④【専門誌への寄稿】
広がりも含めて、かなり面白い事例だと思いましたので、図書館業界の専門誌である『図書館評論』への寄稿をしました(なお、この前に図書館問題研究会で発表もしています)
⑤【専門誌への寄稿2】
カタシロ関連だけではありませんが、『情報の科学と技術』で発表した「図書館におけるゲームを用いた取り組み事例」内でも、多めの文字数で触れています。
上記の記事は以下のサイトで読むことができます。
⑥【カタシロ展示の振り返り座談会】
カタシロ企画において、私は単に呼びかけと細かい調整をしただけに過ぎず、真に素晴らしいのは、実際に手を挙げて参加して展示を作ってくれた方々であるという思いと、この素晴らしい作品を作ってくれて、サポートをして頂いたディズムさんに、感謝を伝えたいという思い、そして、この面白い企画の流れを関係者の発言によって残す事の重要性を感じていたので、図書館総合展の企画として座談会を行いました。
【カタシロ×図書館】に関する大まかな流れと、実現した色々な事は、大体こんな感じかと思います。
10年後とかに『図書館とTRPG文化の融合について』のような論文の参考になると嬉しなぁと思っています。
※1【クトゥルフ神話TRPG】
ハワード・フリップ・ラブクラフト(1890-1937)という作家による架空の神話「クトゥルフ神話」をベースに作られたゲーム。
※2【カタシロ】
https://booth.pm/ja/items/2274429